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恋した相手は痴漢です

第4章 好きなんだよ

「そんな簡単に好きなんて・・言わないでよ」

今までで一番冷たい声と瞳で泣き崩れる優愛を見下ろす遥

あまりに冷たい聞いたことない声に思わず視線を遥にもどした

「!・・遥・っ・くん?・っ・」

出そうになるしゃくりを何とか飲み込んで止まらない涙をこぼしながら遥の名をよぶ

「だれも僕を好きにならないっ・・・見返りが欲しいから・・都合がいいからそうやってみんな気のある振りするんだよ。
優愛もそうだよ・・叔父さんの会社が立ち直ったから今度は僕からはなれたくなったんでしょ?
だから逃げたんだ・・好きってことばで誤魔化すなよ」

落ち着きすぎた淡々とした口調の中に混じる怒気が氷の矢となって優愛に突き刺さる

否定したいけど信じてくれそうにない雰囲気の遥に萎縮してしまう

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