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続・捨て犬

第1章 エミを食うから


あ〜〜〜っ
もう我慢できねぇ
これ以上やったら
マジやばい
帰りたい

そんでエミに
「もう帰ろっか」
って言うと
「うん」
ってエミも即答だった


「外は寒いぞぉー」
なんて言いながら
俺は手袋をはめながら
ご満悦

店を出ると
エミの肩を抱いて
駅まで寄り添って
歩いた

そこで
ふと目についた
「空室」の文字

俺は吸い寄せられるように
駅に向かう足を
方向転換させると
「え?」
って顔でエミが俺を見上げた


あんまり
しゃべらなかった頃の癖で
今でもエミは
俺に目で話しかけるんだ

どうしたの?
って言いたいんだろ?

ん?
したいだけだよ?


「ホテル行きたい
今日は外泊する
決めた!」


「カズマ・・」


「どうした?」


「え・・・ん・・・」


「また、内緒か?」

何か秘密にしてることが
あるっぽい

「あ、あのね
家にケーキ買ってあるの・・」


「そ~かそ~か
ケーキね。
大丈夫大丈夫
明日食うから。
今日は、エミを食うから。
俺、今日は腹いっぱいで
ケーキ無理だし」


「・・・」


俺は
戸惑うエミの手を引っ張り
そのまま
ホテルへと入っていった





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