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続・捨て犬

第11章 ゆっくりしても・・いいの?

「なぁに?
何でも言ってちょうだい

エミちゃんには
よく働いてもらってるしね
娘みたいで・・・
ほっとけないのよ」




「少しずつ・・

少しずつでかまわないので
他人とかかわりあえるように
してやりたいんです


だから・・・
一日30分でも
一時間でもいいから

接客とか
そうゆうの・・

やらせてもらえたらって・・」




「そうね・・・

人間、ひとりでは
生きていけないからね・・


それは
カズマくんがやらせたいの?

それとも
エミちゃんの意志?」




「もちろん
俺もやらせたいですけど
昨日、レジをやると言ったのは
エミの意思で

エミも

そうなりたいと
今、すごく思ってます」




「そう・・・

うん、わかったわ

エミちゃんが
やる気なら
おばさんも応援するわよ

はっきり言って
レジなんて
まだまだ無理だけど
少しずつ
おもてに出てもらうように
するわね


じゃあ・・
これからしばらくは
エミちゃん
疲れて帰ると思うけど

その辺は
カズマくん
よろしくね」



バシッ


おばさんは
肉厚の手で
俺の肩を叩いて笑った



「は、はい(笑)

じゃあ、
よろしくお願いします!!」



そう言って
俺は深く頭を下げ

頭を上げて
おばさんの顔を見ると

おばさんは
めちゃくちゃ優しい顔で
笑ってて・・・


俺は


なんだか
泣きそうになってしまった


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