テキストサイズ

続・捨て犬

第12章 違うと思う

飯を食ってる間
エミは
ずっと黙ったままで
何か・・・
考え事でもしてるみたいだった


飯が終わると
エミはいつものように
台所で一人…洗い物。

更に凹む…俺。

はぁ……

あんなこと
しなきゃよかった


しばらくすると
片付けを終わらせたエミが
部屋に戻って来た

俺は
エミの顔色を伺いながら
もう一回
謝った方がいいかな…
なんて考えてると

エミは
いつものように
ハンドクリームを持って
俺の所にやってきた


よ、よかった

これは
やらせてくれるんだ


ちょっと
ホッとした俺は
目の前に
エミを座らせ
たっぷりと
自分の手にクリーム広げ

愛を込めて
エミの手を
包み込んだ


指の先や関節
指の又や
爪の脇

ゆっくりと
クリームを
なじませるように
すりこむ


目を閉じると
危うく
眠ってしまいそうなほど
俺も心地いい瞬間だ


あぁ・・

幸せだな・・・



「違うと思う」


え?

え、何?


ずっと黙ってたエミが
突然俺を見つめながら
そんなことを呟いた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ