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続・捨て犬

第13章 なぁ、どっちだよ


それを見たエミは

ゆっくり
とても大事そうに
その小さな包みを
受け取った


微笑んでは
いなかった

ちょっと
戸惑ってるみたい


エミが
包みを受け取ると
女子高生たちは
満足したのか
エミに手を振って
帰る素振りを見せた


あ、やべぇ


ヤバイことなんて
なんもねーけど
なんだな俺は
慌てて店の外に出て
ケーキの前に立った


しばらくすると


「よかったね~

気に入ってくれるかなぁ・・

すぐに
受け取って
もらえなかったから
心配しちゃったね~」


なんて話しながら
あの2人が
店から出てきた


「あ、あの・・」


「はい・・」


その2人に
俺は思わず
声をかけてしまっていた



「あの・・・ケーキ」


「え?」


「さっき・・
お店の中の女の子に
渡したのって
クリスマスプレゼント
ですよね?」



「あ・・・はい・・」


不思議そうな
顔で2人は答えた


当り前だ

サンタが
何言ってんだって
感じだよな?


それから俺は
彼女達に
エミと付き合ってることを
説明して

プレゼントの
お返しにと
ケーキをひとつ
2人に手渡した


エミは
プレゼントを
きっと喜んでいるけど
恥ずかしくて
お礼を言ったり
お返しのプレゼントを
手渡したりできない

そんな性格だから


俺が
代わりにと
説明して。

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