続・捨て犬
第14章 あたり
パン屋に着くと
エミは
自分からドアを開け
先に店に入っていく
まるで
家みたいだ
アパートと
ここしかない
エミの世界。
「あら?
珍しいじゃな~~い」
すぐに
おばさんは
エミに声をかける
エミは
ニコニコと
笑うだけで
何も言わないから
「こんにちは~
桜でも見ながら
パン食おうと思って」
と、説明する
「あらいいじゃな~い
あ、そうそう
カズマくんごめんねぇ
馬鹿息子が・・」
と、おばさんが
顔を曇らせた
「いいんですよ、全然
それより
萩原大丈夫ですか?
昨日・・かなり・・」
「どうかしらね~
あたしはほら
朝早く
家、出てきちゃってるから」
「あ~・・ですよね」