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続・捨て犬

第14章 あたり

酔ってると言った
萩原は

玄関を出ると
全くふらつきもせず
普通にひとりで
階段を降りていき


俺より前を
歩いていた





酔ってないのは
分かってた




だから
何も言わずに

俺は
萩原の背中を見ながら
少し

後ろを歩いていた





お前
デカイな・・・


背が高くて

案外
頼りがいあって



どんな意外なことが
起こっても
笑ってやりのけて・・



すげーなって
思ってんだぜ?



女には
だらしねーけど


かっこいいよ


お前の背中



デカイな・・・






「カズマぁ」



「あぁ?」



「公園よるぞ」





「おぅ」






そう言って
萩原は公園に入り
ドカッと
ベンチに座った


なんだか
俺の座る場所が
狭くなったけど


文句言わずに
とりあえず


隣に座った





「一回だけ・・

話ししてみるよ



どーなるか
分かんねーけど」







「だな。


なぁ・・・萩原



俺、思うんだけどさ


お前
変われると思うんだよ




てかもう

ちょっと
変わってきてんじゃん






過去とかさ


なかったことに
できねぇけど



変わることは
できるんじゃねぇかなって

最近思うんだよ




過去を
忘れるくらい


変われると
いいなってさ・・」






「できっかな・・」







「できるって・・・


出来るって

思いたいから



お前

頑張ってくれよ」






「あぁ」






「ふぅ~・・・」





なんだか

大きな溜息が漏れた





「なぁ、カズマ」







「ん?」









「お前・・・






俺に



なんか

話したいこと



あんじゃねーの?」


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