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その日の
仕事の帰り

エミはもう
パン屋にいないけど

俺は
ちょっと回り道をして
パン屋の前を通った

ガラス越しに中を覗くと
もちろん
萩原は見えなかったけど
多分
久保木さんらしい
見たことのない女の子が
働いていた


エミよりは
もちろん歳上だけど
俺よりは歳下のようだ


エミと
仲良くしてくれたら
いいんだけど…。


俺は
パン屋に
新しい人が入ると
チェックしてしまう
悪い癖がある


エミに
優しくしてくれる
人だろうか…
いくつくらいの
人だろうか…と
気になって仕方がないんだ


それなのに
今回は

萩原までいるしっ！



エミは
萩原のこと
もう平気だと言うけど

男には
少し
怯えるところがある


大きな声も
苦手だ


萩原が
おじさんや
おばさんと
喧嘩したりしなきゃ
いいんだけど…。