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続・捨て犬

第16章 いくつ?


そして
萩原の結婚式当日


俺は
由香ちゃんと
美容院に行ってしまったエミを
一人、教会の外で待っている


教会の前には
大きな公園があり
俺は
その景色に
見とれていた


沢山の木々が
風に揺れながら
ザワザワと音をたて

その中にある
桜の木が
花びらを散らし
公園を桜色に染めていた



あ~・・・

懐かしいな・・



俺は

萩原に
全てを話した時のことを
思い出していた


あの日も
桜が舞ってたっけな・・


この世の中で

エミのことを
話した
たったひとりの友人


あんなに
テキトーだった
アイツが
俺より先に
結婚するなんてな・・


ちょっと
目頭が熱くなるのを
感じながら

俺は
大きく息をはいて
空を見上げた



雲ひとつない

晴天



よかった
晴れて



よかった

アイツが
結婚できて



よかった



アイツが
幸せで


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