続・捨て犬
第19章 最終章③・・・本性
こんな奴に
もう話すことなんて
何一つない
最低だ
なんでこんな親から
エミが産まれたんだよ
なんで
こんな奴に
身体まで……
涙が込み上げてきて
止まらない
とにかく
こいつの顔を
もう見たくない
そう思った。
「幸音さんは
居ないんですね?
それじゃ、もう
用はないので
僕達はこれで…」
「ちょっと待ちなさい。
幸音の忘れ物はどれなんですか?
幸音とは
何処で会ったんですか?
いつ?!
いつどこで会ったんだ!!
言え!
今すぐ言わんかっ!!!」
いつの間にか
俺は胸ぐらを捕まれていた
「あなたに…
あなたに知る資格なんて
ありませんっ!!」
「資格がないだと?!!
おい!
知ってること
全部言わんかっ!!
俺の娘なんだぞ!
居場所を聞いて何が悪い!」
「いったい何のために
娘を探してんだよ!
お前が娘を探す理由が最低なんだ!
幸音なんて名前つけて…
そんな名前つけておいて
あの子のどこが幸せなんだよ!!
っうあっ!」
その時
ものすごい勢いで
俺は家の中に引きずり込まれ
男が拳を上げるのが見えた
あぁ、今から殴られるんだな
エミは
何度コイツに殴られたんだろう
何度
さっきの女のように
アザをつくってきたんだろう
俺は
目を固く閉じ
歯を食いしばりながら
そんなことを思っていた。