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続・捨て犬

第21章 最終章⑤・・・完結


画面には
萩原の名前

それを確認したのに
俺が携帯を無視して
エミの胸をやんわりと
揉みはじめると

エミが慌てて
携帯を手に取り
俺を見つめた


早くでないと…って。


「なんだよ
おっぱい堪能してたのに」


俺はエミから降りて
隣にゴロンと転がり
携帯をタップして
萩原からの電話に出た


「もしー」

「おせー」

「お前がいつも
お取り込み中に
電話してくるからだろー」

「知るかエロカズマがっ」

「お前にはかなわんよ」



なんでもない
この会話が

俺には
とても
居心地がよかった


エミは
萩原との会話が気になるのか
俺に添い寝するように
携帯に耳を寄せた


ほんとに

かわいい。


「おいカズマ聞いてんのか?」

「聞いてるよ、うっせーな。
声がデカイんだよ」

「だから夕方の4時に来いよ!」

「わかったよ」

「じゃ、また後でな」

「あ、おう」

「あ、そーだ
腹すかして来いって
かぁちゃんが言ってっから」

「あ、あぁ…わかったよ」

「じゃ」

「あ、萩原…」

「あ?」

「色々…ありがとな」

「お、おう」

「じゃ…後で」

「おう」


電話を切って
エミを見ると

なんだかちょっと
嬉しそうに
微笑んでいた


「風呂入ってから
カフェ行こうか」


「うん」


「腹すかして」


「うん」


エミが
穏やかな気持ちでいられるなら
俺は
なんもいらねぇな


俺も

めちゃくちゃ
穏やかな気持ちになれるから

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