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続・捨て犬

第21章 最終章⑤・・・完結


「やっ…やだわ…
凛ちゃんが泣いちゃうから
おばさんまで
泣いちゃったじゃないのー
さ、座って座って!

エミちゃんのために
おばさん
いーっぱいご馳走作ったから
みんなで乾杯して
食べましょ!」


おばさんは
そう言いながら
俺とエミを
料理がいっぱい並んだ
テーブルの前に座らせてくれた


俺達が寝てる間に
こんなにも沢山の料理を
準備してくれたんだと思うと
また
泣きそうになる


「あ、でも、おばさん…

今日は色々
打ち合わせするって…」



「あー、それなー」


そう言いながら
萩原が近寄り
俺の肩を叩いた


「もう打ち合わせは
終わったんだ」


「え?」


「萩原一家集合の上
打ち合わせを行った結果」


「け、結果?」


「おぅ。

結果は

全員一致で
おめーらが結婚しよーがしまいが
知ったこっちゃねぇ!」


「…え…」


「結婚はどーなろうと
とにかくエミちゃんを
全力で守ろう!
ってことになった」


「萩原…」


「まーぶっちゃけ
カズマのことなんか
どーでもいいんだけどよ(笑)
みーんな
エミちゃんが可愛いわけさ」


「……」


「もちろん!!
結婚には大賛成だが
まーその辺はな
お前らに任せるよ。
したくなったらすりゃあいい。
な、かぁちゃん」


「そうよ。
エミちゃんがね
落ち着いて生活できることが
一番なんだから」


「おばさん…」


「あ、でもね
とりあえずは
エミちゃんの住民票を
おばさんのところに移しましょ!」



「ほんとに…
いいんですか?」


「いいに決まってるじゃないのー。
できればそのまま
うちの子になってもらいたいくらいよ」


その言葉を聞いて
エミはポロポロと
涙を流しはじめた

当たり前だ

その言葉を
エミがどんなに喜んでるか…

俺には分かるよ、エミ


「だから話はこれで終わり!
湿っぽいのも、もうしまいだ。
泣くのやめてさ
もう食おうぜ!!」


そう言って
萩原は
テーブルの上の唐揚げを
指でつまんだ


「ちょ、ちょっと待ってくれ」


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