最後の、恋
第2章 2 高校生活のスタート
入学式が始まるらしく
体育館に誘導された。
叶栄はさっきからずっと
喋ってる。
「人多いね~、1学年300人くらいいるから当然かぁ(笑)」
「…はは。」
わたしは特に何も言わないのに
ずっと隣で話し続ける。
でもきっとすぐいなくなる。
だからあたしは
この子だけじゃなく
人がきらい。
ほっといてほしい。
「ーでは入学式を始めますー」
うんざりするくらい
同じことしか言わない校長を
無心で眺めていた。
やっと終わり退場するとき
律兄と秋斗が丁度見えた。
が、秋斗が手を振ってたので
ガン無視して歩いた。
体育館を出るとき
一瞬見えたあの人の顔が
じわじわとあたしの脳裏を
支配し始めた。
あの人、
それはあたしにとって
マイナスでしかない存在。
きっとまたあの人のせいで
わたしの周りから
人がいなくなる。
同じクラスじゃないだけ
まだ、ましか。
と自分をなだめて
教室へと向かった。