最後の、恋
第2章 2 高校生活のスタート
校門近くになると
同じ制服の人が
ぞろぞろ歩いていた。
すると
「あ!桐山くんだぁ。」
「ほんとだぁー…でもさ
一緒の女の子だれ!?
新入生??」
ちらっとそんな声が聞こえるとまわりがざわざわし始める。
中学のときもだったから
べつに驚かないけど。
律兄は基本的女子とは
一緒にいたりしないから
周りが驚いたんだろうな。
「じゃ、あたしこっちだから。」
「うん、入学式緊張して転ぶなよ(笑)」
「転ばないし!」
「俺の玲!って叫んであげよっか?」
「秋斗、叫んだら秋斗ん家のエロ本全部燃やすから。」
「それだけはー(泣)」
「ほら秋斗行くぞ。」
「れーいー(泣)」
とりあえずシカトして
クラスに向かう。
あたしは1-5だった。
3階まで上り左に曲がると
教室が見えた。
廊下は知り合いとしゃべる人で溢れ返っていた。
名簿順、"鳴海"なので
窓側から2列目の一番後ろが
席だった。
席に座って
携帯をいじっていると
「あ、鳴海さん?」
と声を掛けられた。
「はい、そうですけど…。」
「わたし前の席の瀬尾叶栄って言います!遠くから通ってて知り合いまだいなくて…よかったら仲良くしてくださいっ。」
瀬尾叶栄(せお かなえ)
という女の子は
胸辺りまでの黒髪で
ぱっつん前髪で
目のぱっちりした
可愛らしい子だった。
「よろしくね…。」
友達かぁ(笑)