魔境夢想華
第2章 転校生《凜視点》
二時間目終了のチャイムが鳴り、生徒達は束の間の休み時間を満喫する。
「あ、浅倉。お前もこっち来いよ」
橋本が俺を呼ぶ。
次の時間の用意を済ませ、橋本に振り向けば橋本と一緒にいたのは蓮川だった。いや、彼だけではない。いつの間にか蓮川を中心に、クラスの半分以上の連中が集まっていた。男女問わず、一斉に蓮川を囲っている構図に、思わず唖然となりそうだ。
「浅倉も早く」
気を使ってくれているらしい橋本には悪いが、蓮川がそこにいるだけで素直に近付くことが出来なかった。
「お、俺……、ちょっとトイレ行くよ」
本当はトイレなんか行きたい訳でもないのに、あの集団の中に入る気にもなれない俺は適当にあしらい、すぐに教室から出ていく。
そんな俺にあまりいい気分を抱かなかったのか、橋本の怪訝な表情に見送られる。
その横にはじっと見詰める蓮川と再び目が合い、逃れるようにして廊下を早歩きで脱した。
「はぁーっ……、なんか嫌な感じだ」
結局用事のない俺は、念の為にとトイレに飛び込み、用を済ませ、水道で手を洗う。 トイレにも用がないと出入り口に向かった瞬間、何かに当たり、顔をもろぶつけてしまった。
「うわっ!?」
鼻頭が潰れるかと思うぐらいにヒリヒリする。
「い、いってぇー……」
鼻を抑え、両目はぶつかった瞬間に自己防衛が働き、きつく閉じたままだ。
「君、大丈夫か?」
そんな俺の頭上から声が掛かった。
「あ、浅倉。お前もこっち来いよ」
橋本が俺を呼ぶ。
次の時間の用意を済ませ、橋本に振り向けば橋本と一緒にいたのは蓮川だった。いや、彼だけではない。いつの間にか蓮川を中心に、クラスの半分以上の連中が集まっていた。男女問わず、一斉に蓮川を囲っている構図に、思わず唖然となりそうだ。
「浅倉も早く」
気を使ってくれているらしい橋本には悪いが、蓮川がそこにいるだけで素直に近付くことが出来なかった。
「お、俺……、ちょっとトイレ行くよ」
本当はトイレなんか行きたい訳でもないのに、あの集団の中に入る気にもなれない俺は適当にあしらい、すぐに教室から出ていく。
そんな俺にあまりいい気分を抱かなかったのか、橋本の怪訝な表情に見送られる。
その横にはじっと見詰める蓮川と再び目が合い、逃れるようにして廊下を早歩きで脱した。
「はぁーっ……、なんか嫌な感じだ」
結局用事のない俺は、念の為にとトイレに飛び込み、用を済ませ、水道で手を洗う。 トイレにも用がないと出入り口に向かった瞬間、何かに当たり、顔をもろぶつけてしまった。
「うわっ!?」
鼻頭が潰れるかと思うぐらいにヒリヒリする。
「い、いってぇー……」
鼻を抑え、両目はぶつかった瞬間に自己防衛が働き、きつく閉じたままだ。
「君、大丈夫か?」
そんな俺の頭上から声が掛かった。