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ここは小さな村、トルカ村
ここの村の9割は高齢者で、子供はただ一人
その者の名は、有原結衣―――…

ｸﾞﾂｸﾞﾂ…

結衣｢ふんふーん♪美味しいシチュー♪シチュー♪｣

結衣母｢貴女は本当にシチューが好きね｣

結衣｢うん♪シチュー大好き！私は乳製品は一通り好きだからそれが沢山入ってるシチューは最高なんだよ！あ、そろそろ出来上がるから牛乳入れないと♪牛乳♪｣ﾄﾎﾟﾄﾎﾟ…

結衣｢あとは5分煮込んで…出来た！結衣特製シチュー♪｣

結衣母｢今日も美味しそうね、じゃあお父さんも呼んで、一緒に食べましょうか｣

結衣｢冗談やめてよ…お父さんは…いつも私のシチューを食べてくれないよ？｣

結衣母｢……たまには結衣の作ったシチューが食べたいらしいよ｣

結衣｢…ふーん｣

結衣父｢おっ、うまそうな匂いだな！さっそく食べるか｣

｢｢｢いただきまーす｣｣｣

結衣｢ﾓｸﾞﾓｸﾞ…で、お父さん話があるんでしょ？｣

結衣父｢………｣

結衣｢分かってるよ、お父さんが私の料理を食べる時は、私に大事な話がある時だけ、ほらさっさと言えば？｣

結衣母｢…｣

結衣父｢……結衣、お前この村の村長さんにえらく気に入られているだろ？｣

結衣｢うん、いくら子供が一人だけだからってあんなに可愛がるのはおかしいくらいにね｣

結衣父｢………その理由はな、……｣

結衣母｢ｸﾞｽｯ…｣

結衣｢何？もったいぶらないでさっさと教えてよ｣

結衣父｢……お前を、勇者にするためなんだ｣

結衣｢………え？｣