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結衣父｢お前はな、村で唯一の子供――…だからそこらの子供と違い、運動神経がいい｣

結衣｢……だから、私を勇者にして世界を救い、村長は王様からの感謝金で大儲け…って訳？｣

結衣父｢…………｣

結衣｢ははっ、くっだらない…私はこの村はもう信用出来ない、まぁ元々信用なんてしてないけど｣

結衣父｢…この村を出るのか…？｣

結衣｢当たり前でしょ？じゃあねお父さん、…お母さん｣

結衣母｢結衣…結衣ぃ…｣

結衣父｢…王様からの軍資金がある、机の上にあるから好きに使うといい｣

結衣｢………｣ﾁｬﾘﾝ…ﾊﾞﾀﾝ

結衣父｢行って…しまったな｣

結衣母｢ｸﾞｽｯ…結衣っ…結衣ぃぃ…｣

結衣父｢結衣は…これからどうするのだろうな｣

結衣母｢もう…ここには帰ってきてくれないの…？｣

結衣父｢………多分、な｣

結衣母｢うわぁあぁあぁん…｣

―――――…
結衣｢流れで出て行っちゃったけど…どうしよう、行く宛ないなぁ…
勇者、世界を救う…
くだらない｣

結衣｢…まぁ、考えても仕方ない、とりあえず軍資金軍資金…｣ﾁｬﾘﾝ

結衣｢……3000円…食費にすると持つのは3日から5日…
不本意だけど…武器と防具を買ってモンスターを倒すしかないか…｣