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精霊と共に 歩睦の物語

第12章 歩睦、知識を集める

 斎王は”死の病を払った強気器より生まれ子”とは、

 死の病を克服した橘夫人が生まれた天皇の娘の事であると、上皇に進言する。



歩睦「橘夫人は天然痘にかかってたの?」

信司「橘夫人の父や兄も亡くなっている。
 橘夫人も出産の為、橘の屋敷に住んでいたと思うが…」

景「感染しなかったのか、免疫があったのか、文献にはのっていないわ」




 天皇は”異国の神の子の助けを受け”を気にかけていた。

 斎王は『橘 佐為』の別邸を宿にしている異国の『黄金の娘』だと進言する。



「ねー??黄金の娘って?」
 歩睦の頭の上に?が現れた。


「『黄金の娘』とは金髪碧眼の美しき異国の姫だと記述がある。
まだ、どこの国の姫なのかは調査中だ。容姿から欧州圏内だと推測している」
 信司は別の本から違う資料を出した。


「ふーん」
 歩睦はその資料に描かれている、古い挿絵を眺めている。

(眞瑠智瑠…なんて読むのかな?)


{歩睦は黄金の娘に会いたい?}
 ユティルが歩睦に声をかける。

「昔の姫に?ちょっと無理じゃない?」
 歩睦はユティルの質問の意味をくみ取れない。

{…………そうだ…ね}
 歯切れが悪いユティル。


 天皇は”橘の花を冠して災いを払う”受け、娘『聿智乃』に『橘』の冠を与え名も『花媛』に改めた。



歩睦「ここで『橘聿智乃花媛』の名前になったんだね」

景「『聿智乃』は幼名。
  大社に祭られている媛をお呼びするなら『橘花媛』と呼ぶべきだわ」

歩睦「諸葛亮孔明みたいな感じ?」

景「まー…そんな感じ…
  お名前はキチンと使ってね」

歩睦「はい」

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