2人の男の攻略法②
第3章 歪んだ愛情
「「レイプ!!??」」
医者からの言葉に二人は唖然とした。
「なんで・・・」
「とりあえず、しばらくは安静にしたほうがいいですね。
あと・・・
決して一人にはしないで下さい。
こういう被害者は、自殺をする可能性もあるんで・・・」
「は・・い。」
医師の話を聞いた二人はトボトボと雪の眠っている病室へ向かった。
「雪・・・まだ眠ってるな・・・
なんで・・・
なんでこんなことにッ!!??」
「翔・・・大きな声出すな・・
俺だって・・・
悔しい・・・・」
圭は優しく雪の頬をなぞる。
手首には抵抗した跡が痛々しく残っていて、それを見るだけで悔しくてたまらなかった。
「翔、圭。
明日からしばらく雪には仕事を休んでもらうわ。
その間は私が病室にいるから、
二人は安心して仕事してちょうだい。
いいわね?」
「「はい・・・」」
今は、何もできない。
話を聞いてあげることも、
励ましてあげることも・・・
大丈夫だよって抱きしめてあげることも・・・・
マネージャーに言われた通りに
二人は仕事を続けた。
1週間すぎ・・・
2週間がすぎ・・・・
その間、二人は雪に会うことを禁止されていた。
「男の人に怯えるの。
『怖い、怖い』って。
だからしばらくは面会は控えてね?
今はカウンセリングの先生もついてくれてるし。
心配だろうけど・・・我慢して。」
病室に行っても会うことは出来ず、電話ももちろん出来ない。
――早く雪を抱きしめてあげたいのに――
翔は毎日そう思っていた。
圭も同じように、
毎日毎日・・・
――早く雪が元気になりますように――
と。
二人、眠れぬ夜を過ごしていた。