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2人の男の攻略法②

第4章 捨てないで・・・

ポロリ・・・・・




床に落ちたのは一粒の涙。



翔の



涙・・・・





『気持ち悪い』と言った雪の言葉が頭を離れない。


間違えた・・・?
レイプ犯と俺を・・?




なんでだよ!!??



悔しくて、情けなくて、涙がでた。






「翔・・・・・・」






ここにいたら、罪のない雪を責めてしまいそうで

早くその場を立ち去りたかった。




わかってる。

急に触った俺が悪いんだ。





なのに

ここにいたら
雪を責めてしまう・・・。








翔は急いで玄関に向かう。
ドスドスと大きな足音を立てながら歩いていると後ろからグイっとソデを引っ張られる。



「待って!!翔!ごめんって!」



「雪、離して。」


「話し聞いて!お願い!」


雪が翔の腕にすがりつくように自分の腕をからめる。


「離せよ!!」



ガタッ―――――


思わずきつく振り払うと雪はその場に倒れ込んだ。

責めちゃダメだ―――――

頭の中で何度も繰り返した。

だけど

もう止められなかった。



「雪は、俺の事なんだと思ってんの?!
俺は雪の事好きだから触れたいし、キスもしたい。

あんなことがあって、雪が辛いのもわかるけど、いつまでそうやって閉じこもってんの??
一生このままのつもり?

挙句の果てに、気持ち悪いかよ・・・
なんなんだよ・・・

俺や圭の気持ちも少しは考えろよ!!!!」




雪が目に涙をいっぱいにためて俺を見ている・・・・

―――やっちまった―――



襲いかかる後悔。
とにかくその場を離れたくて
翔はドアノブに手をかけた。



バタン―――――





雪は


一人になった部屋で静かに流れる涙を拭うこともせず座り込んだ。



「やだ・・・翔・・・

違う・・・・ん・・・うぅ・・」










僕の事

捨てるの?














「やだぁ・・・
捨てないで・・・・・
ヒック・・・
も・・・もう、一人に・・・
しないでぇ・・・・・」




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