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恋愛ごっこ

第2章 恋人ごっこ

何だか俺はここにいない気がしてき


た。


もしくは、優羽には俺が見えていない


のではないかという程、優羽はことご


とく俺の言葉を無視した。


「・・・・・・。」


俺は黙って立ち去ろうとした。


すると、優羽が突然口を開いた。


「・・・ねえ。輝一、友達いる?」


いきなりどうしたんだ?


今まで、そんなことを黙々と考えてい


たのか?


「そりゃ、いるけど。」


「・・・・・・ふーん。」


「・・・・・・?」


何だこいつ?


「輝一、外ってどんな感じなの?」


「・・・は?」


俺が聞き返すと優羽はそっぽを向いて


しまった。


どうやら拗ねているらしい。


「何でもない。」


優羽は小さく呟いた。


その声があまりにも小さく弱々しかっ


たため、俺はそれ以上何も聞けなかっ


た。

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