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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

良江「私は、別にかまわないけど、お弁当って高いんじゃないですか」
弥生「大丈夫よ。橋龍さんは稼ぎがいいから。それに安いのもある」
幸江「私達はそれでかまいませんが、ほんとうに、それでいいんですか」
弥生「いいわよね」
橋龍「弁当」
弥生「親戚の子をほったらかしにするのはよくないわよ。最近子捨てがはやっているけど、なんか、家庭内でそれが起きているみたいで」
橋龍は、その言葉には少し弱かった。その後もぐだぐだごねたが、結局は、弁当を一緒に食べることに納得した。橋龍は、やはり弥生には弱いのだろう。いい加減な付き合いしかできないところは、かなり気にしているのかもしれない。
橋龍「分かったよ」
弥生「はい、これで決まりました」
橋龍「でも、私は、晩ご飯は、無理だ。いつ帰ってくるか分からない」
初江「お酒の飲み過ぎよ」
橋龍「なに」
弥生「それじゃ、朝、一緒に食べなさい。ねえ、いいわよね」
橋龍「ああ」
幸江「でも、私は、私達が作ったものを食べてもらいたいんです。まずいっていうんだったら、うまくなってからでもかまわないんです」
初江「そんなのどっちでもいいんじゃない。お弁当みんなで食べれば」
良江「私も、料理は、自分で作れるようになりたいです。いいんですか、初江さん。料理もできない女になんかなってしまって」
初江「ええ、そんなのいつでもできるんじゃないの」
幸江「私は、お母さんに言われてるのよね。料理だけはできる女になりなさいって」
良江「私のお母さんも、料理は上手でした」
初江「なによ。わたしだけ。ほんとにしょうがないなあ」
弥生「何かあなた達、ここからお嫁にいくみたいね」
幸江「そうですか。それはないですよ。おじさんの家に居候しているだけですから」
弥生「どうするの、あなた」
橋龍「だから、食べるよ。うまくなったらね」
弥生「そう」

第3話 完

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