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パパはかわら版

第2章 パパはかわら版A

3人の娘は、長屋の近くを散策するために出かけようとしていた。そこに、隣に住んでいる、男の子と女の子の兄弟に出くわした。大きい方は、3人と同じくらいで、勇介という名前で、小さい方は、小雪という名前だった。高級長屋は、人付き合いもそれほどなく、会えば挨拶をする程度というのが、普通だったが、しかし、それは子供の話、興味あるものには、口を出すということはあるのだ。

勇介「あれ、君ら誰。見たことないけど、なんでおじさん家から出てきたの」
初江「あんた誰よ。なれなれしいわね」
勇介「僕はここに住んでいる、勇作。こっちが小雪」
初江「へえ、あんたもここに住んでんだ」
良江「私達は、お父さんが帰ってくるまでに、その辺、散歩することにしたんです」
勇介「おとうさん?っておじさんのこと」
幸江「いやいや、誰のことでもありませんよ。私達は、ねえ、、」
勇介「ああ、分かった。親戚の子だね。それで泊まりにきてたんだ」
良江「違いますよ。お父さんと暮らすために」
初江「いろいろ事情があんのよ。あんたなんかにはわかんないわよ」
幸江「大人の事情ってやつね。ちょっと説明できないわ、他人には」
初江「そうね、こんな単純そうでは」
勇作「ちょっと、君ら、初対面の人間には厳しいね。よそ者だと思って声をかけてやったのに」

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