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橋龍「君らな、なんで、あんなことしたんだ」
良江「それはこっちが聞きたいんです。あの人は誰ですか」
橋龍「そんなのは君らには関係ないだろう」
初江「飲み屋の女中だよ」
良江「お父さんは、あの人とはこれからどうするつもりなんですか」
橋龍「どうするつもりも何も、別に関係ないよ」
初江「きっと、遊びよ。弥生さんがいるのに、そういうことしてるのよ」
橋龍「何だよ。何か君らに迷惑かけたか。私にどうしろっていうんだ。私にだって息抜きは必要だろう」
幸江「息抜きって。それはちょっとどうかな。女をバカにしてる」
橋龍「バカになんかしてないよ。言葉の綾だ。私は君らの面倒はちゃんと見てるだろう。それのどこに不満があるんだ」
良江「私は、お母さんがお父さんを愛してたのを誇りに思っていたんです。それが今日一遍にさめてしまいました。お父さんは、あの人と同じようにお母さんとつきあって、私達を捨てたんですね」
橋龍「、、、私はね、君のお母さんのことは、分からないよ」
良江「見に覚えすらないと言うんですか」
橋龍「いや違う。今調べているところだ。子供がいたのも知らないんだ」
良江「それはどういうことでしょうか」
橋龍「今はいえない」
初江「今はいえないんじゃなくて、いつまでもいわないんじゃないの」
橋龍「そうではないよ。それが君らのためになるかどうか」
初江「なるもならないも、事実を知っているんだったら、教えてよ」
橋龍「知らないことのほうがいいことだってあるんだよ」
良江「どういうことですか」
初江「もっと子供が他にいるとか」
橋龍「いやそういうことじゃない。それをしってどうするんだ」
初江「そんなの知りたいに決まっているじゃない」
幸江「そうよね。事情があったにしても、事実は知りたい」
橋龍「とにかく、この話は終わりだ」
良江「逃げるんですか」
橋龍「いや、逃げはしないよ。今、君のことも調べてるから、それが分かってからだ」
良江「ほんとうですね」
橋龍「ああ。私は、君のお母さんのことも、他の２人のお母さんのことも知っている。ただ、まだはっきりしてないんだ。それと、どう説明するのかを考える時間も欲しい。それでいいだろう」
良江「わかりました」

第４話　完