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パパはかわら版

第7章 パパはかわら版 F

そんな会話があるうちに、芝居小屋は数千人が入って満杯になった。入り口は、閉じられ、とうとう公演が始まったのだ。もちろん最初に出てきたのは、ミッキーだった。舞台だけは、芝居小屋のようになっていて天井もあった。中央は多少出っ張っていて、どの角度からも見やすくはなっていた。子供たちと一緒にミッキーが出てきて、拍手が起きた。とにかくこれを見るために、みんなかなりの時間を待っていたのだ。ほとんどが家族連れで、やはり子供が多かった。舞台のミッキーと子供たちは、踊りながら歌を歌っていた。舞台の袖のあたりには、たくさんの大人もいて、大合唱ではじまったのだ。歌が一曲終わるごとに、大きな拍手とミッキーに対する声援があった。何曲か歌ったあとに、子芝居みたいなのがあって、それが笑いを誘っていた。初江や幸江、良江も大きな声を出して笑っていたが、勇作は、なんだよあれというような感じでバカにしていた。だったら見なきゃいいじゃんと初江がいったが、しょうがないから見てるんだよと勇作はいった。子芝居が終わったあとは、また歌がはじまって、何曲か歌ったあとに、ミッキーは袖から消えていった。なんだよ、もう終わりと勇作はいったが、そこから更に公演は続いた。今度は、飛んだりはねたり、忍者ショーでもしてるかのようなショーだった。踏み台から人が飛んで、大勢で受け止めたり、どんどん上へ上へと、飛び跳ねていったり、太鼓のリズムに乗りながら、しばらくそういったものが続いた。これも多くの人が歓声を上げていた。

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