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パパはかわら版

第4章 パパはかわら版C

次の日の朝、橋龍が起きてから、寺子屋にいった。その前に、昨日良江が割った茶碗のことや下着のことが話題になったが、橋龍はそれほどは怒らなかった。私のは、自分でやるからといった程度だった。それでその話は終わりになったのだ。高級茶碗ということだったが、それほどでもなかったということだったようだ。寺子屋というのは、民間の教育機関で、読み、書き、そろばんを教えるところだった。ただ、江戸などの大都市になると、さらに多くのことを教えることもあった。全国的に見ると、男児のほうが女児よりも比率は高かったが、江戸となるとさほど変わりがなかった。教えているのは、武士、浪人、商家、神官、医者などであった。月謝などで、運営されていたようだが、幕府や藩から、援助されていたわけでもないので、自費を持ち出してということも多かったようである。それができるのが、商家であったり、神官であったり、医者であったりということだったのだろうか。彼らは、そういった社会的責任も持っていたようだ。教師は、女性よりも、男性の方が圧倒的に多かったが、それでも、江戸とかになれば、女性もかなりいたようである。彼女たちが通うことになった、寺子屋は、資産家の運営するところで、受け持ちの先生は女性だった。武士の子女で、田中綾子というなまえだった。

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