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ショタコイ

第2章 ああ、懐かしい彼を想う。


軽い過呼吸に陥っていた彩は、次第に呼吸を整えた。


「っ…ごめんっ、ひっく…」


彩は、泣くのをやめようと、止めどなく流れる涙を必死に袖で拭く。


「いやー、大人にだって泣きたくなるときがあるもんだよ!」


少年の言葉に、懐かしい安心感を得た彩は、やっと、自分が少年の服を手加減なしで掴んでいたことに気づく。


「あ…ごめんね、服が…」


彩が少年の顔を見上げたその時、不規則に点滅を繰り返す外灯の光に照らされた少年の顔を、はっきりと見ることが出来た。


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