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ショタコイ

第2章 ああ、懐かしい彼を想う。



涙の残る、ぼやけた視界の中で、確かに彩は見た。


外灯は、少年の首の、赤黒い大きな手の痕まで照らしたのだ。


「く、び…ひっく…」


まだ泣きじゃくりが混ざる彩の言葉に、少年は首を傾げたあと、彩の視線から、自分の首筋の痕に気づいた。


「あー、忘れてた…」


少年は“やってしまった”という顔をして、キョロキョロと周囲を見回す。


「お姉さん、このこと…」


少年は彩をじっと見つめ、


「ナイショだよ」


と囁いた。


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