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ショタコイ

第4章 手を伸ばせば、光に届きそうな心地だけ残った。



静寂と明滅するわずかなネオンの中で、独りの女性を見つけた。


由は、傷が痛む身を潜め、遠くから女性の背中を見つめる。


肩甲骨がうっすら浮き出るほど体を丸めて、彼女は泣いていた。


その泣き声は、まるで自分と年の変わらぬ少女のように幼かった。


小さな子供が、そのまま大きくなった。


彩に対して、そんな印象を受けた由。


気づけば、由は彩に声をかけていた。


振り向いた彩の泣き顔を見た由の中に、ある感情が芽生えたのだった。


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