テキストサイズ

天海有紀編

第1章 1

有紀は、近くにあったストロベリーシェイクを、半分ぐらいまで一気に飲んでから、更にインタビューに答えた。今日は、チリ子もそのスタジオにはいた。有紀のマネージャーなのだから当然だが、有紀の剛腕ぶりというか、はっきりしたものの言い方には、圧倒されていた。ただ、自分も、何人かの愛人をやっていたときは、あんな風だったようなきもした。しかし、全く自信を失ってしまった今は、それどころか、この仕事を続けられるかどうかにもびくびくしているのだ。インタビューが終わると、有紀は、かなり怒っていったようだ。チリ子に行くわよといって、スタジオを出るときは、お疲れさまとはいっていたが、どこを向いていっているのかも分からないような感じだった。その代わりというわけではないが、チリ子は丁寧に頭を下げてからスタジオを出た。まだ、夕方だったが、外は暗くなり始めていた。有紀は、あったまにきたとか、むしゃくしゃするというようなことをいっていた。それから、ねえ、食事してから帰ろうと、チリ子に有紀はいった。もう焼け食いしてやるからといっていたが、チリ子には、気が重かった。タクシーに乗って、自宅の近くにあるピザ屋に入った。ここのはおいしいのよ、あなたも好きなものを食べなさいとチリ子にいった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ