 
鳴宮くんは悪い子‼
第2章 屋上で。
「…えみ、なにしてんだ?」
「ぇっあっ…なに?お兄ちゃん」
私の部屋の壁に寄り掛かり、ラムと同じ目つきで私を見るお兄ちゃん。
あわてて、枕を抱きしめた。
高3のお兄ちゃんは、県内有数の超難関高校【浜岳私立高校】に通っている。
「今日帰り遅いから」
「じゃあカレー作っとくから、温めて食べてね」
うちは共働きで、母は大学教授、父は弁護士の絵に書いた様な理想家庭。
幸い、仮面夫婦でもないし、そこそこ仲の良い両親はあまり家に帰らない。
なので、大体お兄ちゃんと二人暮らしみたいなもんだな。
「勉強、頑張ってね」
そんな両親に憧れて、お兄ちゃんの夢は弁護士。だから週2,3回帰りが遅い。
「ん、サンキュ」
そう言って、お兄ちゃんは家を出た。
 
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