鳴宮くんは悪い子‼
第1章 ヤンキー in ファミレス
最寄駅から徒歩5分弱。
私はあるファミレスでバイトをしている。
右手には、一番人気のスパゲッティ、左手には熱々のグラタン。
日本人なら和食を食べろ‼と思いつつ、いつもの笑顔でお客さんのテーブルに置く。
勿論、ポケットに入ってる粉チーズも置く。
「いらっしゃいませ。何名様ですか」
笑顔。
「こちらへどうぞ」
笑顔。
「ご注文は?」
笑顔、笑顔、笑顔!!!!
作り笑顔ばかり。
「はぁー疲れた」
スタッフルームにある白いソファに倒れ込む。
すると、キッチン担当の尾野くんが笑う。
「おつかれ。駄目だよ、笑顔崩したら。清水さんの笑顔、結構評判いいんだから」
余計な一言なんか言って。
評判いいのはどうせお年寄りさんからでしょ。
そして、また余計な一言。
「名前も〝えみ〟だしね」