鳴宮くんは悪い子‼
第2章 屋上で。
「…あんた、前会ったよな?」
「はぁ?」
いやいや。
あなたみたいな人、すれ違っただけで私のブラックリストならぬ、ホワイトリストに載っちゃいますよ。
しかも、超おっきい字で記載しちゃいます。
「知りませんよ…」
「…ふぅん」
こんな真面目そうなイケメン君、難しそうな本読んじゃってさ。
いや、寝てたのか。
「あの、」
「なに?」
だるそうに、こちらを向く。
「ここで寝ると、風邪ひきますよ」
「…おう」
意外そうな顔をして、素直に頷く眼鏡男子。
だけど、あの傷、気になるな。
「…コケたんですか?」
頬に、かすり傷。
よく見ると、口元に血が滲んでいる。