鳴宮くんは悪い子‼
第5章 お兄様
「ったく。帰ってきて仰天だよ」
お兄ちゃんは腕を組み、正座する私とあぐらをかく鳴宮を見下ろす。
「いや、その…」
「しかも、そのチャパチンピラ」
チャパチンピラ?
何言ってんの、この人(笑)
茶髪とチンピラをかけてんだな、うん。
「…いつから妹とそういう関係なんだ?」
はぁ!?
「ちょっと待ってよ、お兄ちゃん!!私は一言もこんなドスケベと付き合ってるなんて…」
「それがここだけの話…」
「ぅおい!!!なにがここだけ、だよ!!!!」
お兄ちゃんも何反応してんの!?
「…鳴宮和輝くん。バイト先の店でうっかり水かけちゃって。お腹減ってるって言うから、連れてきたの」
「おいおい。俺はともかくうっかりじゃねぇだろ。あれはお前が故意にやったことじゃねぇか」
ブスッと膨れるな!!
お前の喧嘩も故意じゃ!!!!
「フム…。でも目の前に押し倒された妹みる限り、和輝くんは危険人物だよ…?」
そーだそーだっ!!
さすがお兄ちゃん!!!!
「それに、家に連れてくるなんて父さんがなんて…」
「大丈夫よ!!パパには黙ってて!!お願い!!!!」