鳴宮くんは悪い子‼
第6章 ボーイズトーク
鳴宮はえみの兄、海の部屋に入る。
「で、」
部屋に入るなり早々、海が本題を切り出した。
「何のために近付いた?」
海の口調は鋭かったが、それに怯まず鳴宮も口を開く。
「別に。水ぶっかけられて、頭キタから犯そうかと」
「あのねぇ、仮にも実の兄の前だよ…?」
鳴宮は鼻で海を笑う。
「そーだった(笑)」
年下の鳴宮にバカにされ、少しイラついた海は、ふーっと息を吐き、椅子に腰掛けた。
「で?様子を見ると、まだみたいだね。怖じ気付いた?」
ピクリと鳴宮が反応する。
なんだ、と海は笑い返した。
「ハハ。まさか、やっちゃったら嫌われるとか思ったワケ?」
強引にすると、えみは絶対鳴宮から離れる。
「……あいつ」
鳴宮は肩を震わせた。
それは、泣いているのではなく、
「結構イイ女なんだよ。余計なお世話だし、へんに俺を受け入れるときもある。あんな女、初めてなんだよ」
可笑しく笑ってたのだ。