鳴宮くんは悪い子‼
第8章 陸と鳴宮と眼鏡くん
「…ふぁ~っ」
大きなあくびが出た。
昨日は、お兄ちゃんと鳴宮の空気がやけにピリピリしてて、気を使いすぎた。
挙げ句の果てに、見送るときは
『いいか!!お前は鈍感だから、すぐ騙される!!』
と意味不明な説教をされた。
あいつ、どんな思考回路で生きてきたんだろ?
「ウス、えみ」
陸が後ろから頭を撫でる。
「あ、オハヨ。…………」
「ねぇ、陸くんて…」
「えー違うでしょ」
「でもぉ……」
私たちの近くで、可愛らしい女の子が陸をチラチラ見る。
「…チッ」
「オイ、今舌打ちしたよな?したよな?えみ」
知るか。モテ男は爽やかにサッカーでもバスケでもやってろ(*`Д´*)ウガー
私のモテ期はオフシーズンだし!!
年中無休だしっ!!!
「…チッ」
「なん――――」
陸が私の2度目の舌打ちに、何か言いかけた時。
「よぉ、バイト女。お前のカレー以外と旨いな(笑)」
鳴宮和輝。
相変わらず乱れた制服と整った顔立ちが目立つ。
「出た。家庭の食材奪うタチの悪いヤンキーめっ」
この完璧な名言を無視し、鳴宮は私の隣にいる陸を睨む。