鳴宮くんは悪い子‼
第9章 ま、まぢか…(´`:)
付き合いたいか……?
そんなの、知らない。
鳴宮の事は、嫌いじゃない。好きでもない。
なんだろ、この感覚。
クラクラする。
ドキドキするのは、鳴宮にキスされたり、押し倒されているから。
このまま続きをされたい?
いやだ。好きでもない人となんて。
気持ち悪い。
嫌だって言ったらどうする?鳴宮はきっと笑って「そうか」って頷いて、起き上がる。
止めてくれる。
このままでいるより、ずっといい。これ以上鳴宮に関わると、何か変わってしまいそうで……
拒む方が、それよりもずっといい……。
「…ぃや。放して……っ」
声が絞り出される。その言葉を言った途端、何故だかジワリと涙が浮き出て。
鼻の奥がつんとして、手がふるえた。
―――――怖かった
あの子供っぽくて何企んでるか分からない鳴宮が、いきなり大人になって…。
体が強張って、ふりほどけなかった。
「…く…っく……ぐす…」
私が泣き出すと、鳴宮は静かに立ち上がり、私の腕を引いて起こした。
「…悪ぃ」
鳴宮がどんな表情でそんなことを言ったのか見えない。だけど、そっと私の頭を撫で、抱き締めた。
その行動が、まるで別れを告げた恋人同士のようで。
なんだか鳴宮がそのまま消えて行ってしまいそうだった。
さっき行かないでと願ったのに……
もう一度、鳴宮が強く、長く抱き締めた。
そして私の耳元で呟いた。
『答えなくていい……』