鳴宮くんは悪い子‼
第11章 乙女心?いや、ガサツ心
「……ま、バレなきゃ大丈夫でしょ」
ふぅ、と私は息を漏らし、美樹の恋を応援する事にした。
「ふふっ。ありがとう、えみ」
にっこり笑顔は、美樹の武器。これで崎先生も虜になったんだろうな…。
「今日クラ専?」
「ううん。明日休みだから、先生の家に泊まる」
「ハァ!!??」
美樹は胸の前に両手を合わせ、頭を下げた。
「親には勿論秘密!!!だから、えみの家泊まるってことにしといて!!!!!!」
「えぇ~」
いや、いいけど、泊まるの!?
と、と、泊まるってその……
「大人の階段上る……?君はまだシンデレラ…だよ?」
「古い」
その一言で、美樹は私を現実引き戻す。
「お願いえみ、このとーりっ!!!」
「わかった。今回だけだよ」
「ありがとう!!!もう荷物持ってきてて、学校終わったらそのまま先生の家直帰なんだ♪」
「え…」
美樹がそう付け加えた瞬間、この時を待っていたかのように、
キーンコーンカーンコーン…
学校は終わりを告げた――――。