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キス☆

第1章 プロローグーside柚ー

トントントントン...



木の階段を上る音が聞こえる。


俺はドキドキして振りむけなかった。


「よ。またここにいたんだな。」


ガタ、と椅子を引く音がしたと思ったら、瑞希が隣に座っていた。
瑞希はニコっと柚に笑顔を向ける。



「また、クルマやバイク眺めていたのか?」

「うん。」

お前、本当に見てるの好きなんだな、と瑞希が笑う。

そんなに好きなら免許取って乗ればいいのに、とも言われていたのだが、最近柚は気づいたのだ。
クルマやバイクに乗っている、他人の姿が好きなことに。


そして瑞希は本当に、カッコイイ...

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