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トライアングル・ラブ―素直になりたかった―

第3章 知り合い



目に涙を浮かばせながら、生沼佐由子を見ると、笑っていた。


なんだ、この子笑えるんじゃん。


「…さり!」


生沼佐由子の後ろから、南が駆け寄ってきた。


「…南。」


南は私の隣に到着すると、息を必死で整え、手で汗を拭った。


なんでこんなに急いでんの?
私は南にパチクリと目を動かした。


「朝、待ってたんだけど?家行ったらもう行ったとか言われるしさ。何なんだよ。」


「…あ…。ゴメン、忘れてた。」


朝から貞子が出たんだもん。


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