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mentalbreak

第1章 2099年12/24

振り返ると不気味な雰囲気の人ではない何かがいる。
確かにこちらを見ていていてもたってもいられない危機感が身体をなぜか動かした。

(ふざけんなよ、寝惚けてんのかと思ったけど絶対ヤバいじゃんかよ!)

走った。階段を今までにない歩数で登ろうと必死に何段もとばして登った。
後ろから気配がする、追われていると焦りは止まらずそれは足も止めなかった。

(イヤだ、まだ生きたい!)

幸秀の頭はこの想いで埋まった。
家路をまた走る。家にさえ帰れば助かるだろう。むしろ家以外に行き場がなかった。

[はぁはぁはぁ・・・205号室!]

<声帯確認完了、おかえりなさいませ。>
エントランスに駆け込むと自分の部屋番を叫びセキュリティをクリアする。

後に目の当たりにする信じがたい物を背に。

"Gaaan!!dongdong!!"

エントランスで追跡者がロックされた扉をこじ開けようと暴れている物音がした。

(マジかよ。。なんなんだ。。。)

エレベーターホールから二枚しかない扉を経てエントランスで暴れる怪物。
ただ見覚えがある。

[おい、こいつらゴーストじゃねぇか。。。コスプレ?いや、マジだ。。]

認識したのも束の間、考えるのは後だと階段をまたかけ上がる。
廊下を走り抜けようとしたその時。

"BAReeeeeeeeeeN!!!"

エントランスの扉が壊れた音がした。

(ヤバいヤバいヤバいヤバい)

足早に自室へ帰ると鍵をかけて息を殺して玄関から外の様子をうかがう。

(はぁはぁ。。。ふぅー。。。)

深呼吸を二回、長い息をゆっくりと吐き立ち上がるとリビングへ向かった。

[PCの電源をいれてくれ、あと水を一杯。]

<おかえりなさいませ。本日のご予定は変更ですか?>

[そうだ、とりあえずPCと水を頼む。]

アンドロイドが幸秀の行動予定を書き替える。注文に動く。
リビングのソファーに力を抜いて座り込むと幸秀はアンドロイドを待った。

[とりあえず整理しよう。]

<お待たせ致しました、天然水とPCでございます。>

"Gokyu!!Gokyu!Boohaaa!!"

水を一気に飲み干すとPCにて開く。

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