幼なじみ
第2章 心のモヤモヤ
翔と日比木が付き合い初めて数日が経ったある日のこと。
「翔くんっ」
帰り支度を済ませ、翔と談笑しながら教室を出ようとしたところに、日比木がやって来た。
ゆるくウェーブした薄茶色のセミロングの髪、でっかいうるうるしたチワワみたいな瞳、小さな鼻、ぷるぷるの唇…
噂では聞いていたけど、間近で見るとその華やかさはすごい。
モデルにでも居そうだ。
「沙耶ちゃん!どした?」
「えっと…あのね、良かったら一緒に帰らない…?」
頬を赤らめて、ぼそぼそと途切れ途切れに言葉を紡ぐ彼女の姿は、お世辞抜きで可愛らしいなと思ってしまう。