幼なじみ
第2章 心のモヤモヤ
「でも…どうして付き合うことになったんだ?」
翔と日比木が会話しているところなんて、今まで見たことがない。
「昨日告白されてさあ…ま、可愛いからいっかなーみたいな」
呆れた。
相手の性格をまったく知りもせず、顔が良いというつまらない理由だけでお付き合いを始めるなんて。
やっぱり、世の中顔なんだなと改めて思う。
「…そんな軽い気持ちで付き合い始めて、面倒なことになっても知らねーぞ」
俺の経験上、顔の整った女は何故か中身が捻くれまくった、面倒な奴が多い。
日比木が必ず性悪な女とは限らないが……。
「大丈夫だって!…お前にはこれから毎日、うざくなる程のノロケ話を聞かせてやっから、楽しみにしとけっ」
語尾に☆マークでもつきそうなうざいテンションで、ウィンクしながら翔は言った。