好きだってっ!?
第3章 再び
鈍い音がして、気がつくとそいつが俺と同じように尻餅をついていた。
道を行き交う人達がジロジロとこちらを見て通り過ぎる。
「…な、何が」
「…っ!」
「…」
頬を抑えて顔をしかめるそいつと、
そいつを鋭い目で睨んで、肩で息をしている晋…。
「…」
ああ、晋がこいつのことを殴ったんだ…
「…晋、」
「何するんですか、急に」
「…立て」
「…は?」
「…立てと言ってる」
「…ちょっ」
晋はそいつの服の襟を掴むと、乱暴に立ち上がらせる。
「…晋、押さえろって!」
俺も同じく立ち上がり、晋を止める。