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告白

第5章 《1人》


キーンコーン

『...ん』

チャイムで目が覚めた

『あ、れ...』

横にいたはずのたっくんがいない

『たっくん...?』

『たっくん!?』

なんか危ない予感がして飛び起きて叫んだ

『なぁに?』

屋上のフェンスの影からたっくんが出てきた

『なにしてんのよー』

もぉ...と言いながら近づくと空が赤いことに気づいた

『...はっ』

『クイズです』

『えっ』

『今何時でしょーっ?』

『待って、空が赤い...?...夕方?』

『正解!4時30分です!夏音~1時間って言ったくせに1人で6時間くらい寝てんだもん』

『きゃあ...』

やばいぞ、こりゃやばい

『メール、めちゃ来てんぞ...』

『あっ』

ぼそっと太陽を見ながら言うたっくんは微妙に妬いていた

『あはっ!拓也に食われたと思われてるみたいだよっ』

クラスのみんなからメールはあたしに対する心配で、みんな拓也に縛られたとか食われたとか言う内容だった

3年の先輩からも大丈夫かとメールが来ていた

『んだよ...みんなして心配しやがって...俺がいるなら安心だ、ぼけっ』

『なんでよ、たっくんが危ないと思われてんのにっ』

いじけるたっくんがかわいすぎて後ろから思い切り抱きついた

『おわっ!おっちまうだろっ』

とか言いながらもぎゅーって抱きしめるたっくんの腕は頼もしくて、波がが出そうになった

ズズッ…

『おまっ女の子のくせに鼻のすすり方汚いっっ』

『うっ...』

『えええっ...!泣いてんの...?』

『ぅぶっ...ぅぅ』

"女の子"と言われ嬉しくなり、とうとうヒックヒックまでなってしまった

『わ、わりぃ...』

『ぅぶっ...ぁぁっ』

『うそっ!てか夏音はもっとみんなの前ではブサイクになれ!お前がかわいいからみんなに好かれて...』

『ぶっ...ぁぅっ...』

止まらない

『ぶぇっ...ひっ...ぁっ...』

『止めてやるよ...』

『ひくっ...ふっぇ...?』

ちゅーっ

『んっっ』

長い甘い強い優しいキスだった

『んー』

『んっ...んー』

まだひくっとはなるが必死にたっくんが止めてくれるのでなんとか抑えた


それから2人手を繋いで帰った

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