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告白

第6章 《親友》


『まあそう気にすることじゃない』

『そうか?またなんかあったら言えよ』

『ありがとう』

ちゅ――――

学校で自分から口ちゅうしたのは初めてだった

『かわいいなぁ』

『ばか!戻るよ』

『はぁーい』

ガラガラ――

『みんな!』

えっ!なななに、たっくん!?

たっくんは教室に入るなり叫んだ

ざわざわ...

『昨日はほんと悪かった』

『だけど夏音は悪くない』

『俺も思い切り演技なんだ』

『だから...俺たちを許してくんねぇかな...』

『...拓也!?』

たっくんの友達の1人が叫んだ

『俺たちがお前を嫌ったりとか裏切ったりとかすると思ってんのか、このやろ』

『...優羽(ゆう)』

真田優羽。拓也の1番の友達
同じクラスに佐々木奈々という彼女㈲

『...な?みんなもそうだろ?』

『当たり前じゃん!てか誰だって自分の彼女大切にしたいのとか当たり前だしっね、ゆーちゃん』

奈々は優羽をゆーちゃんと呼ぶ

『ね!なーちゃん』

優羽はなーちゃんと呼ぶ

みんながいい雰囲気の中1人誰とも話さない七海の姿があった

課題から手を離さず

こちらを向かず...

『七海、どうしたんだろな』

たっくんはあたしの視線の先にいる七海を見て言った

『なんだろ』

『おーい、席着けよ』

担任が入って来るなりHRが始まった

あたしはどうしても七海が気になって仕方なかった

嫌われたかもしれない

でもなぜ?

元気がないかもしれない

ひどすぎる

朝だからかもしれない

いつもと違う

お昼は一緒に食べるのだろうか...


お昼―――

『夏音っ』

『わわわわわわわ』

『えっどしたの、夏音』

七海が話しかけてきた

超満面の笑みで!

いつもの笑みで!

『七海ぃーっ』

ぎゅーっ

『おわたたた』

嬉しくてつい抱きついた

『あんたね、親友の演技も見抜けないようじゃ甘いよ、うん』

『へっ!?』

『彼氏同様演技でーす』

『ぶぁか!』

『あたしがあんたを嫌いになると思ってんのか!?』

『うぅ...』

『ならないから安心しなされ』

『七海ぃーっ』

また抱きついた

これぞ、親友だと思った

彼氏と同じくらい大切な親友よ...

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