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告白

第4章 《嫉妬》


<おはよう、夏音>

<おはよう、たっくん>

毎日するこのメール

このメールだけで好きて気持ちが伝わってくる

『いってきます』

がちゃ―――

『おはよーん』

『おわああああ』

『だだ大丈夫!?』

『んもっ!なんなの』

ドアを開けた瞬間に目の前にたっくん

びっくりしてしりもちをついてしまった

『ばかたく!』

『あわああ...ご、ごめんね...?』

すたすた歩くあたしの後ろから
よわっちいことばが聞こえる

『かのん~…』

ほんとはそんなに怒ってない

むしろ来てくれて嬉しい

『…いい』

ぎゅっっ

『あぶっ』

後ろを振り返った瞬間真っ暗になったと思いきやたっくんに抱きしめられた

『許して...?』

『ん』

『だいすきだよ』

『ん』

『ん、じゃわかんない』

『あいうい(だいすき)』

『ん?』

『あああああっ』

抱きしめられちゃ何も言えない

離して、と背中を叩く

『ん?』

『ぶあっ...んもう!くっついてちゃ話せないよ』

『ごめんね...』

『あたしはたっくんが...』

勢いで言おうとしたけどなんだか恥ずかしくなってしまった

『なに?』

『なんでもない』

くるっと向きを変えて歩き出す

『なぁにぃ』

『だいすきだ、ばーか』

『うわっ!せっかくかわいい夏音なのにばか言っちゃうかぁ』

『あたしはかわいくないもん』

『かわいいよ、夏音』

ちゅっ

『っ!』

横からふとほっぺにちゅうされ真っ赤になった

『ほらっすぐ真っ赤になる』

『ばかばかばか』

『おれもだいすきだからね』

『知ってます』

『ぶぅ』

『さ、行くよっ』

手を引くふりして、つなぐ

『ほ~らかわいいじゃん』

たっくんもぎゅっとつないだ


あたしたちは
なんだかんだ言って
仲良くてらぶらぶな
カップル

それは良い意味だった

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