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第2章 ☆





教室に着くと、成海が目を見開いた。


「あたしっ塾!今日塾!!」

「え、何時から?」


かなり慌ててる。

「4時半から…絶対電話きてる、ごめん帰る!」


机と椅子をぐちゃぐちゃにしながら猛ダッシュで教室を出ていった。

私はスクバに教科書を詰め込んだ。

ある程度は置き勉。


帰ろうとして教室を出たけど、1組の教室が明るいのに気付いた。


誰かがいるのか…


私は面倒くさいと思いながらも気になって1組の教室を覗いた。



「あ…」



ほうきをバット代わりにしてた男子がいた。

机に向かってシャーペンを動かしている。

カリカリと紙に書く音だけが響く。

私が教室に入ると、男子はすぐに私に気付いた。



「わっ!!」



紙を素早く裏返して、上目遣いで私を見た。



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