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ヒーロー

第3章 "出会い"

顔を上げた。


・・・あ。


思わず声に出しそうになった。


彼女だ。

三人くらいのグループのなかに、彼女がいた。


挑むような強い光が宿った彼女の瞳。 目が合った。

―ドキンッ


・・・どうしよう。 どうしよう。


「やだ〜・・・なんか見てるよ、あの子」
「なんなの?」
「ちょっとー、近づかないでよね」


少女たちの声で、ハッと我に返った。

軽蔑するような目が、僕に突き刺さる。


「す、すみませ・・・そんなつもりじゃ・・・」


小さな声でつぶやくように言って、俯く。




「私、この人知ってる!」


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