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ヒーロー

第6章 確信

「私たちもいこっか!」

「う・・・うん」


紗綾の後に僕も美術室を出た。


「カナくん。 美術部でも絵描くの?」

「う、うん、できれば」

軽い緊張のような気分を覚えた。

恥ずかしくて紗綾の顔をちゃんと見れない。

「そっかぁ! あたし、カナくんの絵好きなの。 ああいうの、好きなんだ」


―ドクン。


・・・どうしよう、嬉しい。

すごく嬉しい。


絵が好きなんて、そんなこと言われたことなかった。


誰も僕なんか知らないと思ってた。


紗綾だけが、ちゃんと僕を見てくれた気がした。


やっとわかった。

この気持ちは―


僕は、君が好きなんだ。


君に、恋をしていたんだ―。


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